ほたてを殻から外したとき、貝柱に寄り添うように三日月形の部分がついています。この部分、よく見ると赤みがかったものと白っぽいものがあることに気づいた方もいるかもしれません。実はこれ、鮮度や個体差ではなく、雌雄の違いによるものです。
三日月形の部分は「生殖巣」
貝柱の脇にある三日月形の部位は生殖巣と呼ばれ、卵や精子をつくる器官です。ほたては雌雄が分かれている貝で、雌の生殖巣は赤みやオレンジ色を帯び、雄の生殖巣は乳白色をしています。産地では雌の生殖巣を「卵(らん)」、雄のものを「白子(しらこ)」と呼び分けることもあります。
| 呼び名 | 色の目安 | 雌雄 |
|---|---|---|
| 卵 | 赤〜オレンジ | 雌 |
| 白子 | 乳白色〜クリーム色 | 雄 |
殻を開けるまで外見からは雌雄を判断できないため、水揚げしてはじめてどちらかがわかる、というのがほたての面白いところです。
色の濃さは季節によって変わる
生殖巣は一年中同じ姿をしているわけではありません。産卵に向けて成熟していく時期にはふっくらと大きくなり、色も濃くはっきりしてきます。反対に産卵を終えた後はしぼんで小さくなり、色も淡くなります。
- 成熟期は生殖巣がふくらみ、色味が濃くなる
- 産卵後はしぼんで目立たなくなる
- 同じ産地の同じ時期でも、個体ごとに成熟の進み方には差がある
つまり生殖巣の見た目は、その貝がいまどんな季節を生きているかを映す指標でもあるのです。
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味わいに好みが分かれる部位
生殖巣は貝柱とはまったく違う食感と風味を持っています。雌の卵はねっとりと濃厚で、雄の白子はやわらかくあっさりとした味わい。どちらが好みかは人によって分かれ、「ほたては生殖巣が一番好き」という方も少なくありません。加熱すると身が締まり、煮付けやバター焼きにすると風味が引き立ちます。
一方で、食感が苦手という方は貝柱だけを楽しんでも構いません。ほたては部位ごとに個性がはっきりしている貝なので、好きなところだけを味わうという食べ方も自然な選択です。
まとめ
貝柱の脇にある三日月形の部分は生殖巣で、赤いものが雌、白いものが雄です。季節によってふくらみや色の濃さが変わり、その貝がどんな時期にいるかを教えてくれます。次にほたてを手にしたら、ぜひ色を確かめてみてください。


