夏の陸奥湾は、海面がきらきらと輝く気持ちのよい季節です。けれど、海の中で暮らすほたてにとって、夏は少し過酷な時期でもあります。今回は、ほたてがどのように夏を乗り越えるのかをご紹介します。
ほたては冷たい海が好き
ほたては本来、冷たい海を好む貝です。もっとも元気に育つ水温は、おおよそ10〜15度前後とされ、20度を超える環境は苦手。青森の陸奥湾は、冬から春にかけての冷たい海がほたての生育に向いているのです。
ところが夏になると、浅い場所では海水温が20度を超えることもあります。これはほたてにとって体力を消耗する条件です。
深い層は冷たいまま
陸奥湾のありがたいところは、夏でも深い層の水温が比較的低く保たれる点です。表層は暖かくても、水深が増すほど水温は下がります。
| 水深のイメージ | 夏の水温傾向 |
|---|---|
| 浅い層(表層) | 暖かくなりやすい |
| 深い層 | 冷たさが保たれやすい |
養殖では、夏の暑い時期にほたてを吊るす深さを調整し、少しでも涼しい層で過ごさせる工夫がなされています。
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夏は「体力温存」の季節
夏の高水温期、ほたては活発に成長するというより、体力を保ちながらじっと過ごす傾向があります。産卵で使ったエネルギーを回復し、秋からの成長に備える大切な時期でもあります。
こうした季節ごとのリズムがあるからこそ、ほたては一年を通して味わいが移り変わります。冷たい海で栄養をたくわえた身は、旬になるとふっくらと甘くなるのです。
環境を守ることが味を守る
ほたてが健やかに夏を越すには、湾の環境が安定していることが欠かせません。海水温や餌となるプランクトンの状態は、その年のほたての育ち方を左右します。陸奥湾の恵みは、豊かな海があってこそ。私たち生産者は、その海と向き合いながらほたてを育てています。
まとめ
夏の陸奥湾は、ほたてにとって体力勝負の季節。深い層の冷たい水と生産者の工夫に支えられ、ほたては暑い夏を乗り越えていきます。季節ごとの海の営みを知ると、食卓のほたてがいっそう愛おしく感じられます。



