ほたては、私たちのようにエサを噛んで食べるわけではありません。海水の中を漂う小さなプランクトンを、エラでこし取って食べています。今回は、ほたての意外な食事のしくみを、陸奥湾のほたて屋がご紹介します。
ほたては「水をこして食べる」
ほたての食べ方は、ろ過摂食(ろかせっしょく)と呼ばれます。貝殻を少し開け、エラを使って海水を取り込み、その中に含まれる植物プランクトンなどをこし取って食べるのです。
いわば、海水を「ザル」のように通して、栄養だけを集めるイメージ。ほたては1日に大量の海水を体に通し、その中からエサをこし取って育っています。
エサの豊かさが、おいしさを左右する
ほたてのエサであるプランクトンは、海の栄養状態によって増えたり減ったりします。
| エサの条件 | ほたてへの影響 |
|---|---|
| プランクトンが豊富 | 身がよく太り、旨味がのる |
| 栄養が乏しい | 成長がゆっくりになる |
| 水温・季節の変化 | エサの量も季節で変動する |
陸奥湾のように、周囲の山や川から栄養が流れ込み、プランクトンが豊かに育つ海は、ほたてにとって絶好の「食卓」なのです。
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海をきれいにする「働き者」でもある
ろ過摂食をする貝は、海水をこすことで水中の有機物を取り込み、結果として海の水をきれいに保つ役割も担っているといわれます。ほたては食べておいしいだけでなく、海の環境にとっても大切な存在なのです。
「山・川・海」のつながり
ほたてのおいしさは、海だけで完結しているわけではありません。山に降った雨が栄養を含んで川を流れ、海に注ぎ、プランクトンを育て、それをほたてが食べる——。こうした自然のつながりが、一粒のほたての旨味を支えています。
森を守ることが、めぐりめぐっておいしいほたてにつながっているのです。
まとめ
ほたては、海水中のプランクトンをこし取るろ過摂食で育つ貝。エサの豊かな海ほど、身が太り旨味がのります。次にほたてを味わうとき、その背景にある海の恵みを思い浮かべてみてください。


